Our strength巧みな技術
長年培ってきた設計のこだわりと
自社加工だからこそ再現できる技術
揺れの少ない船を設計する 設計力
ハイスキュー・プロペラの活用
「小門の船は揺れが少ない」と言われています。揺れを少なくするために、設計として力を入れていることが、「ハイスキュー・プロペラ」の活用です。 船の振動については、専門機関が研究や実験を繰り返して、原因や対策を発表しています。ただ、船体構造は一様ではないので、どの回転数の時に共振が起こるのかはいまだ不明です。一般に、「プロペラの毎分回転数」×「翼数」の値が、船体の固有振動数の値に近づくと共振を起こして大きな振動を発生すると言われています。ですので、共振を下げる方法として、プロペラの翼数を船に合わせて適切に選ぶ必要があります。 「ハイスキュー・プロペラ」は現在では4翼から5翼にと進めているところですが、5翼はコストが高いため、全船適用ではありません。
揺れの少ない船を実現する 技術力
自社加工の強みを最大限に活かせる技術力
揺れが少ないのは、水線下の船形にもよります。船尾船底のラインをしぼることで水流を良くするようにしています。これは速力を出すのには適していませんが、タグボートの曳航力を最大限に引き出せる仕様になっています。他造船所では、旋盤士が少なく船形作りを外注に頼っていることも多いのですが、小門造船では自前で加工しているため、設計通りのなめらかで機能的なラインを作り出すことが可能です。
細かい要望に即対応できるフットワーク 対応力
快適な船を造る為の様々な工夫
その他にも工夫していることがいろいろとあります。例えば、船尾外板には少しキャンバー(傾斜)をつけ、船体の補強をするとともに、水捌けの良さを図っています。あるいは、上甲板上居住区の床を水平にすることで、船員の作業性や居住性の向上にも力を入れています。安全性のために操舵室にはピラー(柱)を入れるようにしています。 こういった点に加え、船主からの細かい要望には即対応できるフットワークの軽さが、小門造船の強みと言えます。
設計のやりがいと継承
これらの技術を継承していくには、まずはお互いの信頼関係を築くことが大切です。今の若い人には怒るだけではダメで、誉めて伸ばすものだと言われていますが、そればかりでは良くありません。時には厳しく鍛える場面もあります。
最初から最後までの設計が一人でできるようになるまでには、10年かかると言われているのが造船業界です。今までの設計図を参考にして、自分の頭で考えながら、あらゆる図面をたくさん描く訓練が必要です。現場に出て、実際の船を見て、基礎を習うことから始めていきます。そして、経験を身につけ、応用力を養います。その地道な道のりが次世代の造船業界を切り拓きます。